85年前の胸騒ぎ - "Nobody's Sweetheart" スイング & ジャズバンドの軽快感 暗い時代の輝き

フージャー ホットショッツのSPレコード

Nobody's Sweetheart - もう誰の恋人でもない

“Nobody’s Sweetheart”は、1924年の作曲。作詞 グス カーンとアーニー エルドマン 作曲 ビリー マイヤーとエルマー ショーベル。

ブロードウェイレビューの “パッシングショー 1923”で初めて紹介されました。ジャズスタンダードとして親しまれ、現在に至るまで多くの音楽家が演奏しており、映画のサントラも多い楽曲です。

紹介するのは、フージャー ホットショッツの演奏。米国のスイング & ジャズバンドの演奏で、1936年7月に英国で録音されたSPレコードです。

演奏者によって歌詞やメロディは違って、様々にアレンジされています。

フージャー ホットショッツの歌詞はあまり知られていないので、オリジナルで訳してみました。

オリジナルのしっとりしたテンポとは異なり、ジャズバンドならではの軽快で明るい演奏です。

歌っている側の感傷的な心持ちよりも、相手の女性側の痛快な解放感が優って聴こえるのは演奏のせいでしょうか。

このレコードが入っていたジャケットカバーのレコード店名は、ファース。英国ロッチデールに、かつてあったレコード店です。マンチェスターから北東に向けて、マンチェスターロードとハリファクスロードで繋がった街です。

第一次大戦が終わり、綿産業で繁栄を極めたものの、繊維産業が機械化に進んでいく激動の波に乗り遅れてしまった地域。その先には1939年に始まる第二次大戦に向かう足音がもう聞こえようかという時代です。

束の間の平和な時、軽やかなジャズバンドの演奏はどのように響いたのでしょう。

ゼンマイの音から当時の響きを感じてください。

オリジナルの和訳

君はもう 誰の恋人でもない
どういうわけか 言い寄る奴はいない
派手なタイツ シルクのガウン
この街では 場違いさ

並木道を 歩いていても
まさか君だとは 馬だって信じない
リップを塗って アイラッシュつけて
ゴクラクチョウみたいに 着飾って
何だか ぜんぜん似合ってないよ
もう誰の恋人でもないんだね

経緯

  • 1879 アーニー エルドマンが生まれる
    • 1886.11.6 グス カーン (本名 グスタフ)が生まれる
    • 1896.9.8 エルマー ショーベルが生まれる
    • 1894.7.29 ビリー マイヤーズが米国ルイーズビルで生まれる (逝去年は不明)
  • 1903.9.13 ケン トリーチ (本名 ケニース)が米国インディアナ州アーカディアで生まれる
  • 1905.4.11 ヘジー トリーチ (本名 ポール)がアーカディアで生まれる
  • 1904.11.26 ゲイブ ワード (本名 チャールズ)が生まれる
  • 1909.1.1 フランク ケタリングが生まれる
  • 1924 “Nobody’s Sweetheart”を作曲 (作詞 グス カーンとアーニー エルドマン 作曲 ビリー マイヤーとエルマー ショーベル)。ブロードウェイレビューで発表。
  • 1933 フージャー ホットショッツがカルテット結成 (フージャーはインディアナ出身者の愛称)
  • 1936.7 フージャー ホットショッツが “Nobody’s Sweetheart”を英国で録音
  • 1937-1950 映画出演
    • 1941.10.8 グス カーンが逝去
    • 1946 アーニー エルドマンが逝去
    • 1970.9.24 エルマー ショーベルが逝去
  • 1973.6.9 フランク ケタリングが逝去
  • 1980.4.20 ヘジー トリーチが逝去
  • 1987.9.17 ケン トリーチが逝去
  • 1992.1.14 ゲイブ ワードが逝去

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