122年前の子守歌 - 天使に捧げるバイオリンの調べ ソプラノの癒し
ジェラルディン ファーラーのSPレコード
バラのごとくかけがえのない Mighty lak' a rose - バイオリン演奏 クライスラー
当時のアフリカ系アメリカ人の訛りでかかれた詩から、アフリカ系アメリカ人の乳母が愛情たっぷりに青い目の赤ちゃんをあやしている様子が浮びます。独特の訛りが雰囲気を彩ります。
日本では馴染みがありませんが、英米では多くの歌手にカバーされました。元々は子守歌でしたが、バラードやジャズにアレンジされ、優しい歌詞とメロディは色々な表情を見せたのです。
1915年に録音されたジェラルディン ファーラーの歌声は、フリッツ クライスラーが奏でるバイオリンの優しい調べが伴って、オリジナルの雰囲気を残している気がします。
当時の振動をゼンマイの音から感じてみてください。
バラのごとくかけがえのない Mighty lak' a rose ... 蓄音機のレコードで
日本ではあまり馴染みがないので、オリジナルの和訳を添えて。
1901年の作品 作詞 フランク レビー スタントン 作曲 エセルバート ネビン
オリジナルの和訳
可愛い坊や 当たり前でしょ なんて言ったら いいかしら バラのごとく かけがえのない ママを見つめる きらきらの 青いお眼目 まるで天国にでも いるかのようね 小さなゆりかご 寝ていると レースの隙間で のぞく天使たち 陽が落ちて 影が忍び寄り つま先立ちで 近寄って 眠っている坊やに キスをする 可愛い坊や 当たり前でしょ なんて言ったら いいかしら バラのごとく かけがえのない ママを見つめる きらきらの 青いお眼目 まるで天国にでも いるかのようね
経緯
- 1857.2.22 フランク レビー スタントンが米国サウスカロライナ州のチャールストンで生まれる
- 1862.11.25 エセルバート ネビンが米国ペンシルバニア州のエッジワースに生まれる
- 1875.2.2 フリッツ クライスラーがウィーンで生まれる
- 1882.2.28 ジェラルディン ファーラーが米国メルローズで生まれる
- 1901 ネビンが “バラのごとくかけがえのない Mighty lak’ a rose”を作曲
- 1901.2.17 エセルバート ネビンが米国コネチカット州のニューヘブンで逝去
- 1901 ファーラーがベルリン国立歌劇場 Staatsoper unter den Lindenでグノー “ファウスト”のマルグリット役でデビュー
- 1901-1903 ファーラーがベルリン国立歌劇場で人気を博し、トマ “ミニョン”等を主演
- 1906.11.26 ファーラーがニューヨーク メトロポリタン オペラ (MET)で米国デビュー (ロミオとジュリエット)。ニューヨーク タイムズ紙とニューヨーク トリビューン紙が芸術性の高い天性のソプラノと愛らしい容姿を称賛
- 1914 クライスラーが第一次大戦の東部戦線に出征。陸軍中尉
- 1914.11.14 第一次大戦が終結
- 1915.5.24 ファーラーが “バラのごとくかけがえのない Mighty lak' a rose”とオペラ “ミニョン”から “君よ知るや南の島 Connais-tu le pays?”をフリッツ クライスラーのバイオリン演奏と共に録音
- 1927.1.7 フランク レビー スタントンが米国アトランタで逝去
- 1962.1.29 フリッツ クライスラーがニューヨークで逝去
- 1967.3.11 ジェラルディン ファーラーが米国リッジフィールドで逝去
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