72年前の心情 - "ワルツ11番" ショパンの死後100年 愛する妻を失ったコルトーの振動

アルフレッド コルトーのSPレコード

ワルツ第11番 ... ショパン

1949年11月4日にロンドンで録音されたレコード。演奏しているのは、アルフレッド コルトー。

この僅か3年前に、1902年から45年間連れ添った妻を亡くしています。

レコードのオモテ面には、ショパンの "別れのワルツ"。そして、そのウラ面は、ショパンのワルツ第11番 作品70の1。

第11番は、1832年に作曲されましたが、ショパンの生前には発表されませんでした。そして、ショパンが亡くなった1849年10月17日から6年経った1855年に発見されて発表に至った作品です。

ポーランドの伝統舞曲を想わせる軽快なリズムを、コルトーは情熱的に演奏します。

"別れのワルツ"との対比に、コルトーの心情を想像せずにはいられません。

ゼンマイの音と共に、当時の生の振動を感じてください。

経緯

  • 1877.9.26 スイスのニヨンで生まれる
  • 1886-1905 パリ音楽院に就学
  • 1896 フランスに移住
  • 1902 ユダヤ系ベルギー人のクロチルド ブレアルと結婚
  • 1905-1920 ジャック・ティボー、パブロ・カザルスとカザルス三重奏団として演奏
  • 1919 パリにエコールノルマル音楽院を設立
  • 1920 米国とソ連で指揮者として演奏ツアー
  • 1925.3.21 ビクター トーキングマシーンからクラシック音楽で世界初の電子録音
  • 1925 ショパン “ワルツ” 7番をビクトローラで録音
  • 1927 第1回ショパン国際ピアノコンクール開催。ショパンの音楽性がフランスからポーランドに移る変換点に
  • 1929.3.11 & 6.7 ショパン "バラード第1~4番" 初めてのセット組を録音
  • 1930 ショパン “ワルツ” 7番を英国HMVで録音
  • 1933 ショパン “ワルツ” 3番 “華麗なるワルツ”を英国HMVで録音
  • 1935 ショパン “ワルツ” 3番と4番 “子猫のワルツ”を英国HMVで録音
  • 1936 ショパン “ワルツ” 7番と8番を米国ビクターで録音
  • 1942 ドイツ軍の宣伝イベントで演奏。後にフランスで有罪になり演奏停止
  • 1946.12.2 パリで妻と死別
  • 1947.1 パリのシャンゼリゼ劇場でショパンの“葬送行進曲”を演奏。反対者の暴動が起きる
  • 1947 ショパン “ワルツ” 6番 “子犬のワルツ”をHMVで録音
  • 1947-1949 スイスに移住
  • 1949.11.4 ロンドンで、ショパン “ワルツ” 9番 “別れのワルツ”と11番を録音
  • 1962.6.15 スイスのローザンヌで逝去

アルフレッド コルトーのSPレコード ... 蓄音機でもっと

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