193年前の哀しみと93年前の感動 - シューベルト "バイオリンとピアノのための二重奏曲" 100年の光と影
クライスラーとラフマニノフ共演のSPレコード
バイオリンとピアノのための二重奏曲 ... シューベルト
元々シューベルトはバイオリンを熱心に練習していました。幼い頃にシューベルトの兄のイグナーツとピアノを弾かなかったら、数々の名曲は生まれずバイオリンの室内楽を演奏していたことでしょう。
1817年8月、シューベルトは、20歳の時に”バイオリンソナタ イ長調”を作曲しました。
しかし、その曲が公に出ることはなく、1828年11月19日に31歳の若さで亡くなった23年後に、ようやく "バイオリンとピアノのための二重奏曲"として出版されました。そして、初めて演奏されたのは、シューベルトが亡くなってから36年後、作曲されてから実に47年後の1864年のことでした。
しかしながら、シューベルトの曲は、生前に全く評価されていなかったため、死後数十年を経た後でも好んで演奏して録音するようなアーティストはいませんでした。
作曲家としてのシューベルトが脚光を浴びるのは、シューベルトの死後100年を記念して、1928年6月19日にシューベルトの名を冠した国際作曲コンクールが開催されたことがきっかけでした。
その同じ年、シューベルトが亡くなって100年と1か月後の1928年12月21日、フリッツ クライスラーとセルゲイ ラフマニノフは、ニューヨークでシューベルトの"バイオリンとピアノのための二重奏曲"を共演したのです。
その記念すべき年に録音された生の振動を、ゼンマイの音から感じてください。
アレグロ モデラート
軽快なテンポのラフマニノフのピアノに合わせて、クライスラーの優雅なバイオリンが心地よいメロディを奏でます。
スケルツォ プレスト
クライスラーのバイオリンとラフマニノフのピアノが軽快で速いテンポを刻んだかと思うと、急にゆったりとしたメロディを奏でたりして、何か会話をしているかのように響き合います。
アンダンティーノ
一転してゆっくりとした美しいメロディに乗せて、クライスラーのバイオリンとラフマニノフのピアノが協調して優美な情景を描いているかのようです。
アレグロ ビバーチェ
最後の楽章では、クライスラーのバイオリンとラフマニノフのピアノがそれぞれのメロディを響かせ合いながら、生き生きとして軽快に音楽を奏でていきます。
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