96年前の愛情と望郷 - "愛の喜び" 故国を追われたラフマニノフの生々しい感情
ラフマニノフのSPレコード
愛の喜び ... 作曲 クライスラー 編曲 ラフマニノフ
交響曲などの作曲家としては、なかなか評価されずに不遇の時代を過ごしたラフマニノフ。1900年と1907年に作曲家として栄誉あるグリンカ賞を2度も受賞しながら、コンサートピアニストとして他の作曲家の曲を演奏することが多くなります。
1917年10月に起きたロシア革命により故国のロシアを追われてアメリカに住むようになってから、作曲の創造性や活力を失っていきました。
「アメリカには、ライ麦と白樺がないから作曲できない...」
90年前のレコードに、その時代のラフマニノフの生々しい哀しみが刻み込まれて、レコードの溝をたどる度に、それが再びよみがえってくるような気がします。
フリッツ クライスラーが1905年に作曲し、セルゲイ ラフマニノフが1925年に編曲した愛の喜び Liebes Freud。ラフマニノフ本人が演奏しています。
ゼンマイの音と共に、当時の生の振動を楽しむことができます。
クライスラーが、1901年に出会い、のちに妻となったハリエットリースとの恋愛の喜びを表現して1905年に作曲した曲ですが、ラフマニノフの編曲では荒々しく情熱的に聞こえます。
その当時、ラフマニノフが故国のロシアを追われていたことを考えると、やるせない哀しみを刻んでいるようにも感じます。
単にゼンマイの音の切なさがそうさせるのでしょうか。
フリッツ クライスラーのSPレコード ... 蓄音機でもっと
- スラブ舞曲 10番 - ドボルザーク
- オペラ金鶏から太陽への賛歌 - バイオリン編曲 フリッツ クライスラー
- バイオリンとピアノのための二重奏曲 - シューベルト
- バイオリンとピアノのためのソナタVI - グリック
- バイオリンとピアノのためのソナタ V - グリック
- バイオリンとピアノのためのソナタ IV - グリック
- バイオリンとピアノのためのソナタ III - グリック
- バイオリンとピアノのためのソナタ II - グリック
- バイオリンとピアノのためのソナタ I - グリック
- ユーモレスク - ドボルザーク